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石材コーティングとは?種類や特徴・メリットについて紹介

石材の美しさを長持ちさせるためのコーティング。また、石材コーティングは日常のお手入れを容易にし、素材を長期間保護するための手段です。

石材コーティングを検討中の方は、種類や施工方法、適切なタイミングを理解しておきましょう。今回の記事を読むことで、石材コーティングの正しい知識を身につけ、貴重な石材を適切にケアするヒントが得られます。

日々のお手入れからプロの技術まで、石材コーティングのいろはについて解説しているので、ぜひ参考にしてください

石材コーティングとは?

石材コーティングは、大理石や御影石などの石材表面に特殊な処理を施すことで、美観を維持し、石材の劣化を防ぐ技術です。石材がもつ自然な風合いを損なわずに、水や汚れ、紫外線などから保護。長期にわたってその美しさを維持するのが可能になります。

石材の種類や設置環境に合わせて選択されるコーティング材は、表面に透明な膜を形成し、摩耗や色褪せ、汚れの付着を防ぎます。さらに、石材の維持管理におけるメンテナンス作業を容易にし、劣化や損傷のリスクを軽減する役割も果たすでしょう。

石材コーティングの種類をご紹介

石材コーティングは、コーティングする石材の素材によって使用する製品が異なります。ここでは「浸透性コーティング」と「塗膜性コーティング」の違いについて確認していきます。

浸透性コーティング

「浸透性コーティング」は、浸透性シリコンコーティング剤のような製品を用い、石材の内部に浸透して汚れ防止効果を発揮する特徴があります。外部から見て目立つ塗膜を形成することなく、内部で汚れを防ぐメカニズムであるため、石材本来の質感を損ないません。

特に御影石や天然・人造大理石などの吸水性がある石材に適しており、水分や汚れの浸透を防ぎ、シミやひび割れを防ぐ効果が期待できます。また、冷たい環境下で水分が凍結し、石材が割れるリスクも軽減します。

屋外のタイルや石材の汚れ防止にもおすすめです。滑りにくく安全性を高める効果も期待できるでしょう。天然大理石や人造大理石に使用する際は、性質を理解して選ぶようにしましょう。

浸透性コーティング

石材コーティングにおいて、もう一つのタイプが「塗膜性コーティング」です。このコーティング方法は、石材の表面に直接塗膜を形成し、汚れや損傷から石材を守る役割を果たします。

特徴的なのは、塗膜が石材に光沢をもたらし、独特の仕上がりを演出する点。しかし、石材本来の風合いを変える可能性があり、その点を理解して使用する必要があります。

塗膜性コーティングは美しい仕上がりと保護機能を発揮します。石材の使用環境や求められる機能に応じて、塗膜性コーティングを選びましょう。

石材コーティングを行うメリット

石材コーティングを施すのは、日常生活の中で感じられる実用的なメリットがたくさんあります。

  1. 長期的な汚れ防止
  2. 安全性の向上
  3. メンテナンスの簡素化
  4. 防水性の向上

順番に解説していきましょう。

①長期的な汚れ防止

油浸透性コーティングは、石材内部に作用し、表面に目立つ膜を形成しません。これにより、汚れ防止の効果が長く持続し、美しい状態を維持できます。

②石材の本来の質感を保持

コーティングによって、御影石や大理石などの、石材の質感が変わることはありません。そのため、石材がもつ自然な美しさを、長期にわたり楽しめるでしょう。

【関連記事】 御影石の磨き方について解説|メンテナンスや業者依頼のメリットもご紹介

③安全性の向上

特に大理石床やタイル床、目地にコーティングを施すことで滑りにくくなり、家庭や公共の場所での安全性が高まります。小さな子供や高齢者の事故を防ぐ対策にもなるでしょう。

④メンテナンスが簡単に

コーティングは、汚れを付きにくくするだけでなく、付いた汚れも簡単に掃除できるようになります。そのため、石材のお手入れが簡単になり、メンテナンスの手間と時間を節約できるでしょう。

⑤防水性の向上

浸透性コートにより、石材内部への水の浸透を抑制し、水によるダメージから石材を保護します。雨水やその他の液体が石材表面に付くことはあっても、内部に浸透してシミになるのを防いでくれます。

このように、石材コーティングは見た目の美しさを保ちながら、実用性と安全性を向上させる重要な役割を担っています。家庭内の石材使用箇所だけでなく、公共の場所や商業施設においても、その効果は大きいと言えるでしょう。

石材の日常のお手入れについて

日常の石材のお手入れは、美しさと耐久性を維持するために欠かさず実施すべきです。以下の方法に従って、効果的に石材のお手入れをしましょう。

  1. 乾拭き方法
  2. 凹凸のある石材のお手入れ
  3. 掃除機を使用する場合
  4. 水を使用する場合
  5. 洗剤を使用する場合

定期的に柔らかい布やきれいな布で石材を乾拭きし、埃を除去してください。大理石の場合、ツヤを保つために水拭きは極力避け、必要なら硬く絞った清潔なモップや雑巾を使用しましょう。

御影石のジェットバーナー仕上げや、割肌仕上げなど表面に凹凸のある石材は、柔らかいブラシを使用して汚れを落としてください。掃除機を使用する場合は、石材に傷がつかないよう、吸い込み口にブラシを装着します。大理石やライムストーンなど、柔らかい石種には特に注意しましょう。

水を使用する場合は、水を頻繁に交換し、掃除後の汚水は使用しないでください。表面の水は速やかに拭き取りましょう。また、汚れが付着した場合のみ中性洗剤を使用します。使用前に目立たない場所でテストし、使用後は石材内に洗剤成分が残らないよう清水で洗い流し、拭き取ってください。

石材コーティングの注意点

石材コーティングを依頼する際はいくつかの注意点があります。

  1. ムラの発生を避ける
  2. コーティングの劣化
  3. 内装床と外装床のコーティング

石材の密度は均一ではなく、同じ石材でも吸水性が異なる箇所があるため、ムラが発生しやすいです。このため、均一なコーティングを施せる業者を選ぶ必要があります。

また、コーティング剤に含まれる有機溶剤が蒸発しやすい箇所では、コーティングが早期に劣化する恐れがあります。特に水が溜まりやすい箇所は、劣化が早いため注意が必要です。

そのほか、天然大理石を使用している床は、コーティングで汚れ防止を施す場合が多いですが、既にワックスが塗布されている場合は剥がす必要があります。また、コーティング後に滑りやすくなるリスクも考慮しましょう。

石材コーティングを自分でやらないほうがいい理由

石材コーティングは専門的な知識と技術が求められるため、自分で施工するのではなく専門業者に依頼するべきでしょう。

  1. 時間と労力の大幅な消費
  2. 専門知識の必要性
  3. コストと効率のバランス
  4. 潜在的な問題への対応

石材コーティングを業者に依頼すべき理由について解説します。

①時間と労力の大幅な消費

自分で石材コーティングするのは、多くの時間と労力が必要となります。作業工程が複雑で、石材の種類や状態に応じた、正しい手順を踏む必要があるためです。

手順を間違えると、石材の劣化やトラブルに発展しかねないため、確実にコーティングを施すには、専門業者へ依頼すべきでしょう。

②専門知識の必要性

石材は種類によって、適したコーティング剤があります。間違った製品の選択や誤った施工方法は、石材を傷つけるリスクが高まるでしょう。

また、コーティングのムラが発生する原因を理解し、適切に対処する専門知識が求められるため、業者依頼が最も安心できる方法と言えます。

③コストと効率のバランス

プロに依頼する費用は一見高額に思えるかもしれませんが、自分でコーティングした場合に材料の購入や失敗のリスクを考慮すると、最終的なコストが予想以上に膨れ上がる場合もあります。

専門業者であれば、コーティング作用を効率的に実施してくれます。時間とコストのバランスを考慮しても、業者に依頼すべきだと言えるでしょう。

④潜在的な問題への対応

自分で石材コーティングを実施する場合、エフロレッセンス(白華現象)や濡れ色、石錆など石材特有の問題への対処が難しくなります。専門業者なら、これらの問題の兆候を見極め、適切な対応策を提供できます。

これらの理由から、石材コーティングは専門業者に依頼することが、長期的に見て賢い選択です。プロによる適切な施工は、石材の美しさと耐久性を保ち、将来的なメンテナンスコスト削減にもつながるでしょう。

石材コーティングを行うタイミングは?

石材コーティングを施すタイミングは、特に定められていません。おすすめのタイミングとしては、石材の研磨を実施した後にコーティングを施すと良いでしょう。

石材を研磨することで表面が滑らかになり、汚れや古いコーティング剤が取り除かれます。これにより、新しいコーティング剤が石材表面に均一に行き渡り、より効果的に作用するためです。

また、コーティングの施工前に石材が清潔で乾燥している状態であることも重要なポイントです。汚れや水分が残っている状態でコーティングを施すと、ムラや不均一な仕上がりとなり、コーティングの効果が十分に発揮されない可能性があります。

そのため、石材コーティングを施す前は、石材をメンテナンスし、十分に乾燥しているのを確認してください。

【関連記事】 大理石は研磨すれば光沢が取り戻せる?仕組みや方法・費用相場について

石材を研磨するタイミングは?

石材の研磨は、コーティングを施す前に石材表面をメンテナンスし、コーティング効果を発揮するための重要なステップです。石材の研磨タイミングは、一つの指標として、石材表面の汚れやくすみが目立ちはじめた時が一般的です。

ここでは、石材のくすみや汚れの具体的な原因として「白華現象」「濡れ色」「染み」を取り上げ、それぞれを研磨の観点から解説します。

白華現象

「白華現象」とは、モルタルや石材表面に白い粉状の物質が現れる現象です。モルタル中の水酸化カルシウムが雨水に溶け出し、空気中の炭酸ガスと反応して炭酸カルシウムとなり、表面に白く現れることで起こります。

特に温度変化や湿度が高い環境で発生しやすく、専用の薬品で除去できます。

濡れ色

「濡れ色」は、雨水や下地の水分が石材内部に浸透し、毛細管現象によって表面に現れる状態を指します。また、施工時に使用されたモルタルに含まれるアルカリ成分が水に溶け、内部に浸透し、後に結晶化するのも原因の一つです。

濡れ色は、熱乾燥や専用の薬品及びコーティング剤(給水防止剤)などで除去可能です。

染み

「染み」は、石材表面から付着または浸透したもの、または下地の異物や副資材が裏面から染み出すことで発生します。飲料をこぼしてできた染みは、対応する成分に応じた処理で除去できる場合もありますが、裏面からの染みは除去が難しい場合が多いです。

このような状態が目立つときは、石材を研磨することで改善が見込めます。

【関連記事】 石材のシミ抜き方法は?原因や掃除のタイミングについても解説

石材コーティングと研磨はセットで実施

石材コーティングを施す際は、あらかじめ石材の研磨を実施しましょう。研磨をすることで石材の表面が滑らかになり、汚れや傷みが取り除かれ、コーティング剤が均一に塗布されやすくなります。

特に御影石のような硬質な石材の場合、研磨には専門的な技術と機材が必要となるため、専門業者に任せるのがベストです。仕上がりが一層美しく、石材の質感を最大限に引き出せます。

また、コーティング施工前はテスト施工を実施している業者を選ぶとよいでしょう。テスト施工により、仕上がりの状態を事前に把握することができるため、理想の質感に近づけられます。

石材のコーティングや研磨をお考えの方は、テスト施工を実施しているのかも業者を選ぶうえで参考にしてみてください。

石材クリーニングの依頼をお考えの方は石材クリーニング専門業者へご相談ください。

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