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御影石を鏡面仕上げにする方法は?状態による違いと業者依頼の必要性も解説

御影石は重厚感と美しさで知られる天然石材です。重厚感と光沢が特徴的で、多くの建築物や芸術作品に使用されています。

しかし、時間とともに光沢は薄れ、汚れが目立ちはじめるのは避けられません。そこで本記事では、御影石の特性や適切な研磨方法を解説します。本来の美しさを取り戻す方法を紹介しています。

御影石を鏡面仕上げにするプロセスと、作業を自分でするメリット、デメリットについても掘り下げています。ぜひ参考にしてみてください。

御影石とは

御影石を鏡面仕上げにする方法について知る前に、特徴や性質、成分などについて確認していきましょう。

石の特徴・性質

御影石は「花崗岩」とも呼ばれ、マグマがゆっくりと冷却されることで形成される火成岩です。硬度が高く耐久性に優れているため、建材として使用されるのが一般的です。

屋内外問わず幅広い環境で活躍し、外壁材や墓石としても人気があります。また、御影石は吸水性が低く酸に強いため、水や汚れにも強く、メンテナンスが比較的容易な石材です。

御影石の種類

御影石は世界中でさまざまな種類が採掘され、色や質感によって特徴づけられます。

例えば、黒系の御影石は中国の「山西黒」、インドの「YKD」や「MU」などがあります。山西黒は中国で広く知られる黒御影石で、深みのある黒色が特徴。一方、インドのYKDは非常に硬質な御影石で、耐久性に優れています。MUもインド産の高級な黒御影石として知られ、美しさと品質で高い評価を受けています。

白系の御影石では、「G603」、「G614」、「G623」などの御影石があります。これらは細目の御影石で、特にG603とG614は墓石に使用されるのが一般的。G623は、その均一な質感と美しい白色が特徴で、外壁材や外柵によく使用されています。

ほかにも数多くの御影石が存在するため、チェックしてみましょう。

御影石の成分

御影石は主に石英、カリ長石、斜長石といった鉱物から成り立っています。また、黒雲母、白雲母、普通角閃石なども代表的な成分で、鉱物の比率は御影石の種類によって異なります。

日本国内で見られる御影石は、白色系、赤色系、黒色系といったカラーバリエーションが豊富で、色や模様は上述の鉱物の種類と含有量によって形成されます。特にゴマ塩状の模様は、これらの鉱物がランダムに分散しているために生じます。

使用される場所

御影石はその堅牢性から、屋内外の多岐にわたる場所で使用されます。例えば、ビルの外装や床材、キッチンのカウンタートップや浴室の壁面などでよく見かけるでしょう。

また、玄関のタイルとして使用しても、訪れる人々にゴージャス感を与えられます。御影石の色や模様は、その場の雰囲気を左右する要素と言えるでしょう。

クリーニングが必要な御影石の状態

御影石は時間の経過とともに、石の表面にさまざまな変化が現れます。代表的な現象は以下の通りです。

  1. ツヤ落ち
  2. シミ
  3. 白華
  4. 濡れ色

これらの現象は御影石の見た目に大きく影響し、石材の保護と美観の維持のためにクリーニングや研磨が必要となります。

関連記事:御影石の磨き方について解説|メンテナンスや業者依頼のメリットもご紹介

ツヤ落ち・シミ・白華・濡れ色とは

御影石は一般的に、汚れやくすみが目立つようになったときが、研磨やクリーニングを考えるタイミングと考えましょう。それぞれの原因と対策を理解して、御影石をより効果的にケアしていきましょう。

①ツヤ落ち

時間が経過するとともに、御影石の表面の光沢が失われる現象です。日常的な摩耗や紫外線の影響により、石材の表面が徐々に劣化し、元の輝きを失ってしまうのです。

②シミ

液体や色素を含んだ物質が、石材の表面に長時間接触することで発生します。染み込んだ汚れは、徐々に浮き出て目立ってきます。

関連記事:
石材のシミ抜き方法は?原因や掃除のタイミングについても解説
御影石のシミを落とす手順とポイントを紹介

③白華

モルタルや石材の表面に、白い粉状の結晶が表れる現象です。白華は、水酸化カルシウムが雨水に溶け出し、空気中の炭酸ガスと反応して炭酸カルシウムとなり、表面に析出することで発生します。

④濡れ色

石材の毛細管作用により、雨水や地下水などの水分が石材内部に浸透し、その結果として表面が暗く見える現象です。濡れ色は乾燥により一時的に改善される場合もありますが、根本的な解決は水の浸入を防ぐ措置が必要です。

御影石を鏡面仕上げにする方法は?

御影石を鏡面仕上げにするには、石の種類や汚れの状態に応じて、使用する工具や研磨材を選定する必要があります。ここでは、鏡面仕上げを行う一般的な流れを簡潔に説明します。

  1. 研磨方法を選択する
  2. 研磨してコーティングする

注意点として、施工方法は石の性質や汚れ具合によって変わるため、状況に応じて適切な手法を選ぶことが大切です。

  • 流れ①:研磨方法の選択

御影石の研磨は、対象の大きさに合わせてディスクグラインダーやフロアポリッシャーなどの工具を選びます。小さい部位にはハンドポリッシャーが適している場合もあります。

  • 流れ②:御影石についた汚れを落す

研磨前は、表面の汚れや古いコーティングを丁寧に除去します。これにより、研磨作業の効果を最大化し、均一な仕上がりを実現します。

  • 流れ③:研磨

ダイヤモンドパッドや研磨パッドを使用し、粗い番手からはじめて徐々に細かい番手へと移行します。段階的な研磨により、御影石の表面を滑らかにし、最終的に鏡面のような光沢を引き出します。

  • 流れ④:石材コーティング

研磨後、石材の保護と光沢の維持のためにコーティングを施します。コーティングは選択肢の一つであり、施工しない業者も存在します。

コーティングの有無や種類については事前に業者と相談し、追加費用が発生するかしないかも確認してみてください。

関連記事:石材コーティングとは?種類や特徴・メリットについて紹介

御影石を磨く際に業者に依頼するメリット・デメリット

御影石の研磨とメンテナンスは、専門知識と技術を要する作業であるため、プロの業者に依頼するかどうかは慎重に選択しましょう。ここでは、業者に依頼するメリットとデメリットを解説します。

メリット

御影石の研磨を業者に依頼するメリットは、専門技術にあります。プロの業者は適切な機材と研磨材を使用し、石材の種類に応じた最適な方法で作業するため、高品質な仕上がりが期待できます。

また、御影石の状態を正確に評価し、必要な処置を施すことで、石の寿命を延ばしてくれるでしょう。

さらに、時間と労力の節約も大きなメリットです。専門業者に作業を委ねると、自分でする場合に比べ、迅速かつ効率的に研磨作業を完了させられます。

デメリット

一方で、業者に研磨作業を依頼するデメリットとしては、コストが挙げられます。プロのサービスは高品質ですが、それに伴い料金も高額になることが多いです。

また、作業のスケジュールに柔軟性がない場合もあるため、業者の都合に合わせる必要がデメリットとして考えられます。

御影石の鏡面仕上げは業者依頼が得策

御影石の鏡面仕上げは、専門的な技術と経験を要するため、石材の専門家に依頼する方法が最も美しく仕上がるでしょう。
特にテスト施工を実施する業者を選ぶと、実際の仕上がりの状態を事前に確認でき、希望通りの結果になる可能性が高いです。
御影石の研磨をお考えの方は、テスト施工を実施しているのかも業者を選ぶうえで参考にしてみてください。

石材クリーニングの依頼をお考えの方は石材クリーニング専門業者へご相談ください。

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