大理石は研磨すれば光沢が取り戻せる?仕組みや方法・費用相場について
大理石のような石材は、時間とともにくすんでしまいますが、適切なクリーニングでかつての光沢ある姿に戻せます。
この記事では、大理石の美しさを長期間保つためのクリーニング技術について、詳しく解説しています。石材の種類に応じたクリーニング方法、適切なタイミング、プロの技術についてもご紹介します。
日々のお手入れから専門的なケアまで、石材を輝かせるための知識が身に付くでしょう
目次
大理石とはどんな石?
大理石には、主に天然大理石と人造大理石の2種類に分かれます。それぞれの特徴と性質には明確な違いがあります。
特徴・性質/種類 | 天然大理石 | 人造大理石 |
---|---|---|
起源 | 山のマグマなどに熱された石灰岩から作られる | 粉砕した天然大理石や、ほかの石材をセメントや樹脂で固めて作られる |
特徴 | 光沢、重厚感、産地による模様や色の違い | 水に強く実用的 |
価格 | 高価 | 天然大理石よりは安価 |
弱点 | 水や酸に弱い 汚れや傷がつきやすい | 複雑な形の加工が難しい |
用途 | 高級建材として利用されるが、加工や運搬に技術を要する | 主に壁材、床材、キッチンカウンターなどに使用 |
天然大理石は、独特の模様や色合いにより、独自の美しさを持つ一方で、デリケートな素材です。水分や酸性物質による汚れや傷に注意が必要になります。
対照的に、人造大理石は実用的で水に強く、さまざまな用途に適していますが、天然大理石のような高級感はやや劣るでしょう。
大理石は汚れるの?
大理石はその美しさと高級感が魅力ですが、酸やアルカリ性の物質に弱い性質をもちます。例えば、ワインやジュースなど酸性の液体が染み込むと、シミになってしまうでしょう。
さらに、黄ばみや茶色い汚れが付きやすく、小さな傷も目立ちます。そのため、大理石の表面に汚れが付着すると、美しさが損なわれてしまうのです。デリケートな大理石を扱う場合は、適切なお手入れが重要になるでしょう。
大理石クリーニングとは?
傷や汚れがついた大理石をきれいにするためには、専門的なクリーニング技術が必要です。クリーニングとは、石材の特性に合わせた研磨作業を実施し、大理石本来の輝きと美しさを取り戻す作業です。
大理石クリーニングのメリットは多岐にわたります。まず耐久性が向上し、大理石の表面が適切に保護されることで、日常のメンテナンスが容易になります。また、大理石の表面をコーティングすると、天然素材の美しさを長期間キープできるでしょう。
さらに、鏡面のように輝く大理石は、内装材として高級感を演出し、建物全体のイメージアップにも大いに貢献してくれます。正しい方法で実施する大理石クリーニングは、メンテナンス以上の価値をもたらし、大理石の美しさを最大限に引き出す手段と言えるでしょう。
大理石の表面研磨で光沢が蘇る仕組み
大理石の表面研磨の過程は、まずダイヤモンド研磨パッドを使用し、生活傷を根本から削り取ります。1,000分の5ミリ程度の厚さを削り取るため、大理石自体がなくなることはありません。
次に、より細かい粒度のパッドを用いて、最初の研磨作業で生じた微細な傷を滑らかにします。このプロセスを繰り返すことで、大理石の表面を徐々に平滑にしていくのです。
最終的に、最も粒度の細かいパッドで仕上げることで、鏡のような光沢が生まれ、大理石の美しさが復活します。
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大理石の光沢を取り戻す方法
光沢を取り戻すには、自分で行う日常的なお手入れと、専門業者によるプロのクリーニングの2つの方法があります。順番に見ていきましょう。
方法①:自分で行う
日常のお手入れは、大理石の表面の光沢を長期間維持するために欠かせません。床の場合は、靴底に付いた土砂による傷を防ぐために、定期的なメンテナンスが必要です。
ホコリや土は、掃除機やマイクロファイバークロスなどを使い、丁寧に取り除きましょう。また、自分でも大理石のクリーニングにおいては可能ですが、おすすめしないケースもあります。その理由については、後述で詳しく解説しています。
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方法②:専門業者に依頼する
日々のお手入れでは、取り除くことのできない傷や深い汚れは、専門業者によるクリーニングが適切です。業者には石材の種類や状態に応じた、特別な研磨機器や技術があり、大理石を元の状態に近づけられます。
特に大きな傷や変色がある場合は、専門業者による研磨が最も効果的でしょう。
自分で大理石の研磨はしない方がいい理由
大理石は自分で研磨を試みると、予想外の問題が生じる場合もあります。特に黒や茶、深緑など色の濃い石材の場合、自分で研磨作業をして光沢をうまく出すのが非常に難しいです。
研磨作業には熟練した技術と専用の機材が必要で、不適切な方法では大理石の表面にさらなる傷をつけたり、元々の傷や汚れを悪化させたりしてしまいます。
また、大理石の研磨には特定の手順と注意点があるため、これらを知らずに行うと石材のダメージを引き起こすリスクが高まります。例えば、適切でない研磨材の使用や圧力のかけ過ぎは、石材の表面を不均一にする原因となり、修復が困難になる場合があります。
このような理由から、大理石の研磨は専門知識をもったプロに依頼するのが最も安全で効果的な方法と言えます。
大理石クリーニングを業者に依頼するメリット・デメリット
メリット
大理石のクリーニングをプロの業者に依頼することは、多くのメリットがあります。まず、専門技術と機材を使用することで、自分では落とすのが難しいシミや汚れ、傷を効率的に除去し、新品のような光沢を取り戻せます。
さらに、天然素材の質感を保ちながら、日常のお手入れが楽になるのでしょう。
デメリット
一方で、業者によるクリーニングは自分で行う場合に比べ高額になる可能性があるでしょう。また、実績が不足している業者では、期待通りのクオリティが得られない場合もあります。
大理石クリーニングの費用相場
大理石や人工大理石のクリーニングを専門業者に依頼する際、費用は大理石の種類や処理する面積によって異なります。そのため、まずは業者から見積りを取りましょう。見積りを取ることで、おおよその費用感を把握できます。
また、実際の費用は依頼する業者や石材の状態、要求されるサービス内容によって変動するため覚えておきましょう。
大理石をキレイに保つための普段のお手入れについて
大理石の美しさと輝きを長期間維持するためには、日々のお手入れが重要です。ホコリや土は、掃除機やマイクロファイバークロス、フローリングワイパーなどを使用して取り除きましょう。
加えて、天然大理石の上に重い物を置く際は直接置かず、フェルトパッドなどを使用して表面を保護するようにしましょう。また、天然大理石が水分や液体に濡れた場合は、速やかに拭き取ります。
特に酸性の洗剤やジュースはシミや傷の原因になりやすいため、注意が必要です。
大理石の光沢を取り戻す方法のまとめ
大理石の光沢を効果的に取り戻すには、専門業者による研磨が適しています。業者は、専用の機材で細かい傷や汚れを取り除き、大理石を新品のような状態に仕上げてくれます。
また、テスト施工を実施している業者を選ぶことで、仕上がりの品質を事前に確認でき、期待に沿った結果が得られるでしょう。自分でのクリーニングには限界があるため、専門業者に依頼することが、大理石の美しさを長期間保つ鍵となるでしょう。
石材クリーニングの依頼をお考えの方は石材クリーニング専門業者へご相談ください。